線の書式設定
作成した線や図形(図形を作成するメソッド)の線や図形の枠線の太さ、スタイル、色を以下のプロパティで設定をすることができます。
線の書式設定で使用するプロパティ一覧
プロパティ | 内容 |
---|---|
Line【ライン】 | 太さ、色、矢印などの線の書式を設定する LineFormat【ラインフォーマット】オブジェクトを取得します。 |
ForeColor【フォアカラー】 | 色の書式を設定する ColorFormat【カラーフォーマット】オブジェクトを取得します。 |
Style【スタイル】 | 線のスタイルを設定します。 |
Weight【ウイト】 | 線の太さを設定します。 |
DashStyle【ダッシュスタイル】 | 点線のスタイルを設定します。 |
Visible【ビジブル】 | 線の表示、非表示の設定をします。 |
BeginArrowheadStyle 【ビギンアローヘッドスタイル】 | 矢印の始点のスタイルを設定します。 |
EndArrowheadStyle 【エンドアローヘッドスタイル】 | 矢印の終点のスタイルを設定します。 |
BeginArrowheadLength 【ビギンアローヘッドレングス】 | 矢印の始点の長さを設定します。 |
EndArrowheadLength 【エンドアローヘッドレングス】 | 矢印の終点の長さを設定します。 |
BeginArrowheadWidth 【ビギンアローヘッドワイズ】 | 矢印の始点の幅を設定します。 |
EndArrowheadWidth 【エンドアローヘッドワイズ】 | 矢印の終点の幅を設定します。 |
Line【ライン】プロパティ
直線や図形の枠線に書式を設定するには、Shape【シェイプ】オブジェクトまたは、ShapeRange【シェイプレンジ】コレクションの
Line【ライン】プロパティを使用してLineFormat【ラインフォーマット】オブジェクトを取得します。LineFormat【ラインフォーマット】オブジェクトは色や太さ、矢印などの線の書式を設定するためのオブジェクトです。
Line【ライン】プロパティの書式と設定値の説明
オブジェクト.Line
【戻り値】LineFormat【ラインフォーマット】オブジェクト
- オブジェクト(必須)
Shapeオブジェクトまたは、ShapeRangeコレクションを指定します。
※LineFormat【ラインフォーマット】オブジェクトは直線と図形の枠線の両方の書式を設定するプロパティを持ちますが、矢印のスタイルのように、図形の枠線では使用できないプロパティもあります。
ForeColor【フォアカラー】プロパティ
直線や図形の枠線に色を設定するには、LineFormat【ラインフォーマット】オブジェクトのForeColor【フォアカラー】プロパティを使用してColorFormat【カラーフォーマット】オブジェクトを取得します。ColorFormat【カラーフォーマット】オブジェクトは色をRGBプロパティのRGB関数で指定したり、SchemeColor【スキームカラー】プロパティを使用して色番号で指定します。
ForeColor【フォアカラー】プロパティの書式と設定値の説明
オブジェクト.ForeColor
【戻り値】ColorFormat【カラーフォーマット】オブジェクト
- オブジェクト(必須)
LineFormat【ラインフォーマット】オブジェクトを指定します。
※SchemeColor【スキームカラー】プロパティの色番号はColorIndex【カラーインデックス】プロパティのインデックス番号とは
異なります。ColorIndexプロパティのインデックス番号に7を加算した値がSchemcolorプロパティの色番号と同じになります。例として黒の場合ColorIndexプロパティは1、Schemcolorプロパティは8
Style【スタイル】プロパティ
線のスタイルを設定するには、LineFormat【ラインフォマット】オブジェクトStyle【スタイル】プロパティを使用します。
Style【スタイル】プロパティの書式と設定値の説明
オブジェクト.Style = 設定値
- オブジェクト(必須)
LineFormat【ラインフォーマット】オブジェクトを指定します。 - 設定値(必須)
MsoLineStyle列挙型の定数または、値で指定します。MsoLineStyle列挙型 定数 値 内容 msoLineSingle【シングル】 1 一重線 msoLineThinThin【シェインシェイン】 2 細い二重線 msoLineThinThick【シェインシック】 3 細い線と太い線の二重線。細い線が上 msoLineThickThin【シックシェイン】 4 太い線と細い線の二重線。太い線が上 msoLineThickBetweenThin【シックビットインシェイン】 5 両側を細い線ではさまれた太い線
B列のセルに合わせて5種類のスタイルの黒い線を作成するコード例
Sub ラインStyle() Dim i As Long Dim R As Range For i = 1 To 5 Set R = Range("B" & i + 1) With ActiveSheet.Shapes.AddLine(R.Left, R.Top, R.Left + R.Width, R.Top).Line .ForeColor.RGB = RGB(0, 0, 0) .Style = i .Weight = 10 End With Next i End Sub
実行結果
Weight【ウイト】プロパティ
線の太さの設定と取得をするには、LineFormat【ラインフォーマット】オブジェクトのWeight【ウイト】プロパティを使用します。
Weight【ウイト】プロパティの書式と設定値の説明
【取得】
オブジェクト.Weight
【戻り値】単精度浮動小数点型 (Single) の値
【設定】
オブジェクト.Weight = 設定値
- オブジェクト(必須)
LineFormat【ラインフォーマット】オブジェクトを指定します。 - 設定値(必須)
線の太さを表す値をポイント単位(1ポイントは約0.35ミリ)で指定します。
DashStyle【ダッシュスタイル】プロパティ
点線のスタイルの設定と取得をするには、LineFormat【ラインフォーマット】オブジェクトのDashStyle【ダッシュスタイル】プロパティを使用します。
DashStyle【ダッシュスタイル】プロパティの書式と設定値の説明
【取得】
オブジェクト.DashStyle
【戻り値】長整数型 (Long) の値
【設定】
オブジェクト.DashStyle = 設定値
- オブジェクト(必須)
LineFormat【ラインフォーマット】オブジェクトを指定します。 - 設定値(必須)
点線のスタイルの種類を表す
MosLineDashStyle列挙型の定数または値で指定します。MosLineDashStyle列挙型 定数 値 内容 msoLineSolid【ソリッド】 1 実線 msoLineSquareDot【スクエアードット】 2 点線 (角) msoLineRoundDot【ラウンドドット】 3 点線 (丸) msoLineDash【ダッシュ】 4 破線 msoLineDashDot【ダッシュドット】 5 一点鎖線 msoLineDashDotDot【ダッシュドットドット】 6 二点鎖線 msoLineLongDash【ロングダッシュ】 7 長破線 msoLineLongDashDot【ロングダッシュドット】 8 長鎖線
B列のセルに合わせて8種類のダッシュスタイルの黒い線を作成するコード例
Sub ダッシュStyle() Dim i As Long Dim R As Range For i = 1 To 8 Set R = Range("B" & i + 1) With ActiveSheet.Shapes.AddLine(R.Left, R.Top, R.Left + R.Width, R.Top).Line .ForeColor.RGB = RGB(0, 0, 0) .DashStyle = i .Weight = 5 End With Next i End Sub
実行結果
Visible【ビジブル】プロパティ
線を表示するかしないかの設定と取得をするには、LineFormat【ラインフォマット】オブジェクトのVisible【ビジブル】プロパティを使用します。
Visible【ビジブル】プロパティの書式と設定値の説明
【取得】
オブジェクト.Visible
【戻り値】ブール型 (Boolean) の値
【設定】
オブジェクト.Visible = 設定値
- オブジェクト(必須)
LineFormat【ラインフォマット】オブジェクトを指定します。 - 設定値(必須)
線を表示する場合は「True」(既定値)線を表示しない場合は「False」を指定します。
BeginArrowheadStyle【ビギンアローヘッドスタイル】プロパティ
EndArrowheadStyle【エンドアローヘッドスタイル】プロパティ
線の始点の矢印のスタイルの設定や取得をするには、LineFormat【ラインフォーマット】オブジェクトのBeginArrowheadStyle【ビギンアローヘッドスタイル】プロパティを使用します。線の終点の矢印のスタイルの設定や取得をするには、EndArrowheadStyle【エンドアローヘッドスタイル】プロパティを使用します。
BeginArrowheadStyle、EndArrowheadStyleプロパティの書式と設定値の説明
【設定】
オブジェクト.BeginArrowheadStyle = 設定値
オブジェクト.EndArrowheadStyle = 設定値
- オブジェクト(必須)
LineFormat【ラインフォーマット】オブジェクトを指定します。 - 設定値(必須)
矢印のスタイルをMsoArrowheadStyle列挙型の定数または、値で指定します。MsoArrowheadStyle列挙型 定数 値 内容 msoArrowheadNone【ノン】 1 矢印なし msoArrowheadTriangle【トライアングル】 2 三角矢印 msoArrowheadOpen【オープン】 3 開いた矢印 msoArrowheadStealth【ステルス】 4 鋭い矢印 msoArrowheadDiamond【ダイアモンド】 5 ひし型 msoArrowheadOval【オバール】 6 円形矢印
B列のセルに合わせて6種類の矢印の形の青い線を作成するコード例
Sub 矢印Style() Dim i As Long Dim R As Range For i = 1 To 6 Set R = Range("B" & i + 1) With ActiveSheet.Shapes.AddLine(R.Left, R.Top, R.Left + R.Width, R.Top).Line .ForeColor.RGB = RGB(0, 0, 255) .Style = 1 .BeginArrowheadStyle = i .EndArrowheadStyle = i .Weight = 5 End With Next i End Sub
実行結果
BeginArrowheadLength【ビギンアローヘッドレングス】プロパティ
EndArrowheadLength【エンドアローヘッドレングス】プロパティ
始点の矢印の長さの設定や取得をするには、LineFormat【ラインフォーマット】オブジェクトのBeginArrowheadLength【ビギンアローヘッドレングス】プロパティを使用します。終点の矢印の長さの設定や取得をするには、EndArrowheadLength【エンドアローヘッドレングス】プロパティを使用します。
BeginArrowheadLength、EndArrowheadLengthプロパティの書式と設定値の説明
【設定】
オブジェクト.BeginArrowheadLength = 設定値
オブジェクト.EndArrowheadLength = 設定値
- オブジェクト(必須)
LineFormat【ラインフォーマット】オブジェクトを指定します。 - 設定値(必須)
矢印の長さをMsoArrowheadLength列挙型の定数または、値で指定します。MsoArrowheadLength列挙型 定数 値 内容 msoArrowheadShort【ショート】 1 短い msoArrowheadLengthMedium【ミディアム】 2 普通 msoArrowheadLong【ロング】 3 長い
BeginArrowheadWidth【ビギンアローヘッドワイズ】プロパティ
EndArrowheadWidth【エンドアローヘッドワイズ】プロパティ
始点の矢印の幅の設定や取得をするには、LineFormat【ラインフォーマット】オブジェクトのBeginArrowheadWidth【ビギンアローヘッドワイズ】プロパティを使用します。終点の矢印の幅の設定や取得をするには、EndArrowheadWidth【エンドアローヘッドワイズ】プロパティを使用します。
BeginArrowheadWidth、EndArrowheadWidthプロパティの書式と設定値の説明
【設定】
オブジェクト.BeginArrowheadWidth = 設定値
オブジェクト.EndArrowheadWidth = 設定値
- オブジェクト(必須)
LineFormat【ラインフォーマット】オブジェクトを指定します。 - 設定値(必須)
矢印の長さをMsoArrowheadWidth列挙型の定数または、値で指定します。MsoArrowheadWidth列挙型 定数 値 内容 msoArrowheadNarrow【ナロー】 1 狭い msoArrowheadWidthMedium【ミディアム】 2 普通 msoArrowheadWide【ワイド】 3 広い
以上で、線の書式を設定する LineFormat【ラインフォーマット】オブジェクトのプロパティについての解説を終了します。ありがとうございました。