スクロールバーのプロパティ
スクロールバーは、スクロール操作によって、特定の範囲内で値を増減させるコントロールです。
スクロールボックスのドラッグ操作で、値を大幅に増減できることから、比較的広い範囲で
値を増減させたいときに有効なコントロールです。
なお、比較的狭い範囲で値を増減させたい場合は、「スピンボタン」コントロールが便利に使用できます。
挿入したスクロールバーを選択した状態のときに、Visual Basic Editor【ビジュアルベーシックエディタ】左下に表示される「プロパティウィンドウ」を使用して設定する場合のプロパティについて説明します。
なお、スクロールバーのイベントについては「スクロールバーのイベント」をご覧ください。
スクロールバーの使用例は「スクロールバーで値を取得する」をご覧ください。
・(オブジェクト名)
ScrollBar【スクロールバー】オブジェクトの名前を変更できます。既定値はScrollBar1から数を増やすごとにScrollBar2と番号が増えます。名前付けの規則は
1.英数字、漢字、ひらがな、カナカナ、_(アンダースコア)が使用できる※先頭に数字を使用することはできません。
2.既にあるオブジェクト名と同じ名前は使用できない。
3.スペースや記号は使用できない「.」「!」「@」「&」「$」「#」など
・BackColor【バックカラー】
スクロールバーの背景色を取得または設定します。既定値はシステムのボタンの表面です。
・ControlSource【コントロールソース】
スクロールバーにリンクさせるワークシートのセル番地を設定します。A1セルの場合はA1と入力します
・ControlTipText【コントロールチップテキスト】
マウスポインターをスクロールバー上に置いたときに表示する文字列を設定します。
・Delay【ディレイ】
スクロールバーのボタンを押しっぱなしにしたときに発生するイベント、バーの動きのの遅延時間をミリ秒単位で指定します。既定値は50ミリ秒で0.05秒です。
・Enabled【イナーブルド】
スクロールバーがイベントに対応するかしないかを設定します。
値 | 内容 |
---|---|
True | 通常の表示で操作できます。(既定値) |
False | 淡色表示になり操作できません。 |
・ForeColor【フォアカラー】
スクロールバーのボタンの矢印の色を設定または取得します。既定値はシステムのボタンの色です。
・Height【ハイト】
スクロールバーの高さをポイント単位で設定または取得します。
・HelpContextID【ヘルプコンテキストアイディ】
ヘルプファイルのコンテキストIDを指定します。既定値は0です。
・LargeChange【ラージチェンジ】
スクロールバーに設定される最小値Minプロパティと最大値Maxプロパティ内で1クリックでスクロールボックスが移動する量を数値で設定します。反映されるクリック場所はスクロールボックスのレール内です。例えば、Min(0)Max (100) LargeChange(10)でスクロールボックスがMin(0)の位置にある場合、10回クリックでスクロールボックスがMax(100)に達します。
・Left【レフト】
ユーザーフォームの左端からのスクロールバーの位置をポイント単位で設定または取得します。
・Max【マックス】
スクロールバーの最大値を設定または取得します。値はLong値の範囲(-2,147,483,648 ~ 2,147,483,647)で設定が可能です。
・Min【ミニ】
スクロールバーの最小値を設定または取得します。値はLong値の範囲(-2,147,483,648 ~ 2,147,483,647)で設定が可能です。
・MouseIcon【マウスアイコン】
MousePointer【マウスポインター】プロパティの設定値が、99-fmMousePointerCustomのときにIconファイルを指定します。
・MousePointer【マウスポインター】
マウスポインターがスクロールバー上にに移動したとき、表示されるポインターを指定します。
定数 | 値 | 内容 |
---|---|---|
fmMousePointerDefault | 0 | 標準ポインター(既定値) |
fmMousePointerArrow | 1 | 矢印 |
fmMousePointerCross | 2 | 十字ポインター |
fmMousePointerIBeam | 3 | I ビーム |
fmMousePointerSizeNESW | 6 | 右上と左下を指し示す両端矢印 |
fmMousePointerSizeNS | 7 | 上と下を指し示す両端矢印 |
fmMousePointerSizeNWSE | 8 | 左上と右下を指し示す両端矢印 |
fmMousePointerSizeWE | 9 | 左と右を指し示す両端矢印 |
fmMousePointerUpArrow | 10 | 上向き矢印 |
fmMousePointerHourglass | 11 | 砂時計 |
fmMousePointerNoDrop | 12 | ドラッグされているオブジェクトに重なった “不可” シンボル無効なターゲットを示します。 |
fmMousePointerAppStarting | 13 | 矢印と砂時計 |
fmMousePointerHelp | 14 | 矢印と疑問符 |
fmMousePointerSizeAll | 15 | サイズ変更カーソル (上下左右を指し示す矢印) |
fmMousePointerCustom | 99 | MouseIcon プロパティで指定された アイコンを使用します。 |
・Orientation【オリエンテーション】
スクロールバーの配置方向を設定または取得します。
定数 | 値 | 内容 |
---|---|---|
fmOrientationAuto (既定値) | -1 | コントロールの大きさによって 自動的に判定させます。 |
fmOrientationVertical | 0 | 垂直(縦)方向に配置します。 |
fmOrientationHorizontal | 1 | 水平(横)方向に配置します。 |
・ProportionalThumb【プロポーショナルサム】
スクロールボックスのサイズがスクロール領域に比例するか固定サイズかを設定または取得します。
値 | 内容 |
---|---|
True | スクロール ボックスのサイズはスクロール領域に比例します (既定値) |
False | スクロール ボックスは固定サイズです |
・SmallChange【スモールチェンジ】
スクロールバーに設定される、最小値Minプロパティと最大値Maxプロパティ内で1クリックで
スクロールボックスが移動する量を数値で設定します。反映されるクリック場所は両端の矢印ボタンです。例えば、Min(0)Max (100) LargeChange(10)でスクロールボックスがMin(0)の位置にある場合、10回クリックでスクロールボックスがMax(100)に達します。
・TabIndex【タブインデックス】
スクロールバーにフォーカスをあてる順番を設定または取得します。TabStop【タブストップ】プロパティがTrueのとき反映します。
・TabStop【タブストップ】
TabIndex【タブインデックス】の有効、無効を設定または取得します。
値 | 内容 |
---|---|
True | 有効(既定値) |
False | 無効 |
・Top【トップ】
スクロールバーの位置をユーザーフォームの上端を0として、ポイント単位で設定または取得します。
・Value【バリュー】
スクロール値の設定または取得をします。
ユーザーフォームにスクロール値を表示する例
コード例
Private Sub ScrollBar1_Change() Label1.Caption = ScrollBar1.Value End Sub
Private Sub ScrollBar1_Scroll() Label1.Caption = ScrollBar1.Value End Sub
実行結果
・Visible【ビジブル】
このスクロールバーの表示、非表示を切り替えまたは状態を取得します。
値 | 内容 |
---|---|
True | 表示します。(既定値) |
False | 非表示です。 |
・Width【ワイズ】
スクロールバーの幅をポイント単位で設定または取得します。
以上で、スクロールバーのプロパティについての解説を終了します。ありがとうございました。