プロパティ
オブジェクトの属性(設定情報)を取得、設定するには「プロパティ」を使用します。Property【プロパティ】には特性や属性という意味があります。
プロパティの書式と設定値の説明
【取得】
値取得 =オブジェクト.プロパティ
【設定】
オブジェクト.プロパティ = 設定値
- オブジェクト
設定情報を取得、設定する対象となるものを指定します。具体的にはExcel自体を表すアプリケーション、ワークブックシート、セルなど290以上のオブジェクトがあります。オブジェクト一覧はこちらをご覧ください。
オブジェクトの解説についてはこちらをご覧下さい。 - プロパティ
オブジェクトの属性を意味します。オブジェクトの属性とは、例えばワークシートオブジェクトであれば、名前や枚数レンジオブジェクト(セル)であれば、色、フォント、幅や高さなどのことをプロパティといいます。プロパティはオブジェクトによって用意されています。主なオブジェクトのプロパティ一覧は以下のリンクでご確認ください。
Application【アプリケーション】オブジェクトのプロパティ一覧
Workbook【ワークブック】オブジェクトのプロパティ一覧
Worksheet【ワークシート】オブジェクトのプロパティ一覧
Range【レンジ】オブジェクトのプロパティ一覧
Window【ウィンドウ】オブジェクトのプロパティ一覧 - 値取得
プロパティの値を取得するには変数などに代入して取得します。左辺で=代入演算子を使用して取得します。(代入演算子は右辺の値を左辺に代入します。) - 設定値
プロパティに設定する値を指定します。右辺で=代入演算子を使用して設定します。(代入演算子は右辺の値を左辺に代入します。)冒頭でプロパティはオブジェクトの属性を取得、設定できると説明しましたが
プロパティによっては値の設定ができないプロパティがあります。値の設定ができないプロパティのことを「読み取り専用のプロパティ」といいます。逆に値の取得ができないプロパティはありませんが、値の取得ができないことを「書き込み専用」といいます。読み取り専用のプロパティの例としてはWorkbook【ワークブック】オブジェクトのPath【パス】プロパティはファイルの保存場所を取得しますが保存場所の設定はできません。
Name【ネーム】プロパティを使用してシート名を取得するコード例
Sub シート名取得() Dim シート名 As String シート名 = Worksheets(1).Name MsgBox シート名 End Sub
シート名を格納する変数「シート名」を文字列型(String)で宣言します。アクティブシートのインデックス番号1のシート名をName【ネーム】プロパティで取得して変数「シート名」に代入して格納します。MsgBox【メッセージボックス】関数を使用してシート名が格納されている変数「シート名」を表示します。
Name【ネーム】プロパティを使用してシート名を設定するコード例
Sub シート名設定() Worksheets(1).Name = "名前設定" End Sub
アクティブシートのインデックス番号1のシート名を「名前設定」に設定しました。
メソッド
オブジェクトに対して、削除、コピー、移動、保存などの操作を行うには、「メソッド」を使用します。Method【メソッド】は方式や方法という意味があります。
メソッドの書式と設定値の説明
オブジェクト.メソッド
- オブジェクト
操作をしたいオブジェクトを指定します。 - メソッド
指定したオブジェクトで使用できるメソッドを指定します。
主なオブジェクトのメソッド一覧は以下のリンクでご確認ください。
Application【アプリケーション】オブジェクト のメソッド一覧
Workbook【ワークブック】オブジェクトのメソッド一覧
Worksheet【ワークシート】オブジェクトのメソッド一覧
Range【レンジ】オブジェクトのメソッド一覧
Window【ウィンドウ】オブジェクトのメソッド一覧
メソッドには、どのように操作を実行するかを詳細に設定できる「引数」を持つものがあります。引数を指定する場合はメソッドの後に半角スペースを入れて「引数名:=値」のように記述し、これを「名前付き引数」といいます。引数名は省略することもできますが、引数の指定の順番は変更できません。値の設定を省略した引数が途中にある場合は引数を区切るカンマを2つ記述します。引数が多いメソッドは「名前付き引数」で指定したほうが間違いありません。
Add【アド】メソッドを使用してシートを一番左に2枚追加するコード例
Sub シート追加() Worksheets.Add Before:=Worksheets(1), Count:=2 End Sub
戻り値があるメソッド
メソッドは操作の実行を行いますがプロパティのように値の取得(戻り値がある)ができるメソッドもあります。上記の追加の操作をするAdd【アド】メソッドは追加したオブジェクトを戻り値として返します。その戻り値のオブジェクトにプロパティで属性を設定することができます。
Add【アド】メソッドで1番左にシートを追加して「追加」というシート名を付けるコード例
Sub シート追加() Worksheets.Add(Before:=Worksheets(1)).Name = "追加" End Sub
メソッドの戻り値を使用してプロパティで設定する場合は、メソッドの引数をカッコ()で囲みます。Add【アド】メソッドでシートを追加してその戻り値の追加したシートにName【ネーム】プロパティでシート名を設定しています。
まとめ
「プロパティ」は指定したオブジェクトの属性の取得、設定を行い、「メソッド」は指定したオブジェクトの操作を実行します。
以上で、プロパティとメソッドについての解説を終了します。ありがとうございました。